春から初夏にかけてのメンタルケア

春は、色々な意味で変化の多い季節です。その変化に順応できずに体や心にストレスを与えてしまい、自律神経も乱れがちになります。

心の問題は放置すれば重大な問題につながったりして、健康に悪影響を及ぼしかねません。無理しているつもりがなくても、強いストレスにつながっているケースもあるので注意が必要です。

自律神経という言葉は、よく耳にすると思います。「交感神経」と「副交感神経」というお互いに反対の働きをする神経がバランスよく働いて心身の健康を保っています。

ですが、緊張や不安が強くなると交感神経ばかり活動して様々な不調が起こってきます。

例えば胃腸の働きが弱まり、消化液の分泌が抑えられて食欲が減退したします。
血管が縮むので、栄養、酸素、熱が全身に行き渡らなくなり、
リンパの流れも悪くなり、疲労物質や老廃物が充分に排出されず、疲労回復や体の修復が追い付かず、そのまま疲れや不調を抱えてしまいます。

その不調自体がストレスとなってさらに交感神経が働いてしまう…
という悪循環に陥ります。

幸せホルモン「セロトニン」がストレス耐性のカギ

「セロトニン」は脳内神経伝達物質のひとつで、我々の精神の安定に大きく関わります。

ストレス耐性という言葉がありますが、ストレスに負けないためには、このセロトニンの働きがとても重要で、ストレスによって交感神経が過剰に興奮状態になるのを抑え、適度な状態を保ちます。

ストレスとセロトニンは密接に関係があり、セロトニンがストレスを解消する反面、ストレスによってセロトニンの分泌異常がおこり、不足してしまう場合があります。

この心身の安定や自律神経のバランスを保つのに不可欠なセロトニンをしっかり安定して分泌させるには、どのようなことに注意すれば良いのでしょうか。

やはり、不規則な生活や睡眠不足、偏った食事など生活習慣を改善することが重要です。

セロトニンを増やす生活習慣

まず第一に、早寝早起をして、日光にあたることをこころがけ、生活のリズムを整える必要があります。

セロトニンは、太陽が出ている昼に多く分泌され、夜間や睡眠中は少なくなります。

直射日光や照り返しでまぶしすぎて交感神経を刺激しすぎたり、また紫外線量にも注意しながら適度に日光浴を行ってください。

早寝早起きにより、規則正しい起床と就寝で生活のリズムを養うことは、体内時計を正常に働かせます。

朝日を浴びることを心がけると体内時計がリセットされるので効果的です。こういったリズムがセロトニンの増加につながるのです。

そして第二に、リズミカルな運動を日常生活に取り込んでください。

脳のセロトニン神経は、規則的なリズムで活動しています。
ですから一定のリズムを刻む運動が゛効果的なのです。

セロトニン増加のために、無理なく行うことができるものとして、「歩行」「食事の際の咀嚼」「ガムをかむ」「自転車」「階段の昇降」「スキップ」「縄跳び」などが゛あげられます。

体に大きな負荷をかける必要はなく、重要なことは、リズムを意識して行うことです。

第三に栄養です。「トリプトファン」「炭水化物」「ビタミンB6」がセロトニンを作ることに関与しています。

必須アミノ酸であるトリプトファンは体内で作ることができないので食品からとる必要があります。

かつおやまぐろ、さけなどの魚、牛乳やヨーグルト、チーズなどの乳製品、豆腐、味噌、納豆などの発酵食品に多く含まれます。
その際に炭水化物(穀物、いも類、果物など)やビタミンB6(卵、豆類、バナナ、赤身魚、青魚など)を含む食品を一緒に摂るとさらに効果的です。